超過勤務の是正へ大きく前進、大阪高裁判決!

たたかってこそ、要求実現の道が開かれる
10月1日、大阪高裁は、京都市内の小中学校教員9名が、「無定量な超過勤務の是正」を求めて行った超勤是正裁判の判決で、新たに2名(合計3名)の教員に対して、京都市に安全配慮義務違反があったことを認定し、損害賠償を認める画期的な判決を行いました。

新たに過重な勤務実態と認定されたのは、研究発表の準備、学年主任としての野外活動の準備(小学校教員)、生徒指導部長としてのパトロール・下校指導・養護施設での学習補充指導、このためにせざるを得なかった持ち帰り残業(中学校教員)で、校長が勤務実態を認識していながら、勤務が過重にならないよう配慮しなかったことを、安全配慮義務違反があったとしました。

 この裁判は、04年1月、「もっと子どもたちと向き合う時間を」と超過勤務の是正めざし京都地裁に提訴。年々深刻化する教職員の長時間・過密労働の実態が明らかにされ、放置してきた京都市教育委員会の責任が問われてきました。そして今回の高裁判決では、「労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負う」と使用者である市教委の責任とともに、「その権限を行使すべきである」と校長の管理監督責任も明確にするなど、京都地裁判決に追加・修正を加えました。

 今回の大阪高裁判決には大きな意味があります。ひとつは、中学校だけでなく、小学校教員についても安全配慮義務違反が認められたことです。さらに、仕事内容についても決して特殊な例ではなく、全国のほとんどすべての学校の教職員が、日常的に行っている業務や持ち帰り仕事をせざるを得ない実態を含めて、その勤務実態を正確に認定し、安全配慮義務違反による損害賠償が認められたことは、極めて画期的な判断と言えます。

 現在、子どもの貧困問題や新しい学習指導要領の実施などによって、教職員の長時間・過密労働はますます深刻になっています。認定された3人を含む9人の原告のような労働実態は、全国のどの学校にも存在する一般的な状況です。そのことは文部科学省の調査でも明らかにされています。今こそ、文部科学省を含む教育行政は、この判決を真摯に受け止め、教職員の大幅増、30人学級の実現、教職員の勤務時間管理と超勤縮減の具体化をはかり、実効ある労働安全衛生体制の実施に足を踏み出すべきです。

枚方教組は、教職員の長時間過密労働の解消や労働安全衛生対策の前進にむけて、今後も引き続き職場要求実現にむけた取り組みをすすめていきます。

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