憲法を生かしたコロナ対策、そして安倍改憲に終止符を!

【憲法会議声明】

今こそ、守り生かそう日本国憲法!

憲法を生かしたコロナ対策、そして安倍改憲に終止符を!

   ―憲法記念日にあたって、憲法会議は訴えます―
 日本国憲法施行 73 年目の記念日を迎えました。アジア・太平洋戦争が終わり、「戦争だけはいやだ」という国民の思いとアジアの民衆の平和の願いを集めて日本国憲法が成立しました。二度と戦争しないことを誓い、軍隊を保持しないことを明確にした憲法は、世界の宝です。日本国民は、憲法の平和と人権と民主主義の原則を根本から壊そうとする日米支配層と改憲勢力に抗して、憲法施行直後から、改憲を許さず、憲法を生かそうとたたかい続けて来ました。
 2017 年 5 月 3 日に安倍首相が改憲を提言し、2018 年 3 月 26 日に自民党が 4 項目の改憲案を決めるなど、日本国憲法は未曽有の危機を迎えています。しかし、全国 3000 万人署名と新たな改憲発議反対全国緊急署名をはじめとする安倍改憲反対の全国的運動と世論の力で、4 国会にわたり、改憲案の提示・改憲論議を許しませんでした。
 ところが、安倍首相は、第 201 回国会の施政方針演説(2020 年 1 月 20 日)で、「新しい時代を迎えた今こそ、憲法審査会の場で、共に、その責任を果たそうではありませんか」と、改めて改憲への執念をむき出しにしました。そして、自民党は 2020 年度運動方針の冒頭に憲法改正を独立した章として掲げました。
 さらに、今年の憲法記念日は新型コロナウイルス感染拡大で全国に緊急事態宣言が発令されるなかで迎えましたが、自民党はコロナ禍が国会機能に及ぶ可能性があるとして、憲法への「緊急事態条項」創設を改憲の突破口にしようと、憲法審査会を動かそうとする策動を繰り返しています。コロナ問題を利用して、火事場泥棒的に「緊急事態条項」創設の憲法改定を行おうとすることは言語道断で許されません。今、政治の最優先課題は、コロナ感染拡大を食い止め、一日も早く収束させることに力を合わせることです。
 今年は、日米安保条約が発効されて 60 年の年です。安倍政権は、この安保条約に基づく対米追随方針のもと、昨年末の閣議決定に基づき自衛隊の中東派兵を強行するなど、実質的な 9 条改憲をすすめています。さらに、「桜を見る会」疑惑や「検察官人事への政治介入」、「公文書改ざん」など政治を私物化し、国民も国会も無視する憲法・法律蹂躙の悪政を推進しています。
 憲法会議は、今何よりも、憲法の諸条項を生かしてこそ、コロナ感染拡大を阻止し、私たちの生命・生活を守ることができることを、強く訴えます。
 憲法会議は、1965 年 3 月 6 日結成以来、憲法の蹂躙を許さず、改憲反対、憲法を生かす「憲法運動」を推進してきた立場から呼びかけます。今が正念場です。日本国憲法の意義を改めて確認し、改憲発議反対全国緊急署名などコロナ禍のもとでも可能な対話・宣伝・署名活動を強め、市民の共同、市民と野党の共闘を広げ、改憲発議を許さず、安倍改憲に終止符をうち、憲法が真に生きる政治と社会実現のために奮闘し合いましょう。

2020 年 5 月 3 日
憲法会議(憲法改悪阻止各界連絡会議)

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