第10回枚方の教育を語り合う父母・市民・教職員のつどい

第10回枚方の教育を語り合う父母・市民・教職員のつどい

  • 日時:11月7日(土)
  • 場所:枚方教育文化センター

 今年で10回目を迎えた「枚方の教育を語りあう父母・市民と教職員のつどい」が、7日(土)教文センターを会場に行われました。これは、枚方教組が加わる教育・子育てを考える市民団体などで構成する「つどい」実行委員会の主催で行われたもので、1時から5つの分科会で論議を深め、3時からは神戸女学院大学の石川康宏さんを招き、「学校と社会をつなぐ学びをつくる」と題して講演を行いました。

 分科会は、①子どもが伸びる学校園 ②「子どもの貧困」を考える ③青年・学生の働き方と支える大人の役割 ④発達障害と学校教育 ⑤子どもの成長と「食」 の5つで行いました。多方面からの参加で、広い視点から語られたので時間が足らず、「まだ話が聞きたい」「深めたい」などの感想が多く寄せられたのが特徴的でした。

分科会(予定)

13:00~15:00

    1. 子どもが伸びる学校園

~本当の学力って何?~

子どもが伸びる学校園 ~本当の学力って何?~

子どもが伸びる学校園 ~本当の学力って何?~

保護者・教職員で、小中学校を通じて子どもたちの疲れている様子が語られ、保護者から「学力テストで先生・子どものやる気が沈んでいる。もっと他のことに予算を使ってほしい」という意見もありました。上からの押しつけや過密な内容で、子どもも教職員も、学校が楽しいものでなくなってきていることがおかしく、人間とのつながりを考える教科学習やクラスづくりを大切に、先生は子どもの代弁者であってほしい、とまとめられました。

    1. 「子どもの貧困を考える」

~いま、子どもと教育は~

「子どもの貧困を考える」 ~今、子どもと教育は~

「子どもの貧困を考える」 ~今、子どもと教育は~

保育士・教職員や「生活と健康を考える会」の論議で、DVやリストラ・貧困など家庭のかかえる様々な理由で、子どもの通学や生活でさえも危機が進行している実態が明らかになりました。教材・給食・修学旅行の費用にはじまり、日々の食費・医療費など、子どもには責任がないのに、貧困の連鎖ともいうべき状況が進行。社会のセーフティーネットの整備・充実が急務です。

    1. 青年・学生の働き方と支える大人の役割
高校の先生から、高校生の生活・就職の実態を聴いています。

高校の先生から、高校生の生活・就職の実態を聴いています。

    1. 青年・中学高校の教職員・保護者・不登校生を支えるサポートセンターの方などが参加。高校教職員から、不況の影響で学費滞納が増え、集金に教師が追われる実態や、貧困の影響を報告。中でも、就職は再び氷河期を迎えて悲惨な状況にあること、卒業後は孤立してしまうことなどをあげ、引きこもりの子どもを含む地域、行政、学校、企業などを巻き込んだネットワークづくりが急がれると発言が相次ぎました。

    2. 発達障害と学校教育

~子どものために手をつなごう~

発達障害と学校教育~子どものために手をつなごう~

発達障害と学校教育~子どものために手をつなごう~

支援学校・学級の教職員や発達相談員から、学校での発達障害の子どもたちの様子や支援の仕方、就学についての声かけなど交流しました。枚方に支援学校を求める立場から、四條畷北高校に設置される仮校舎についても教育条件をないがしろにするものにならないよう府教委に対して運動を強めることの必要性が語られました。

    1. 子どもの成長と「食」

~食べることは生きること~

子どもの成長と「食」 ~食べることは生きること~

子どもの成長と「食」 ~食べることは生きること~

調理士さんを講師に招き、保護者・教職員と子どもたちの給食の実態を出しあい、好き嫌いや食の細い子への働きかけをどうしていったらいいか論議を深めました。作物を作り育てる体験、食事準備や買い物など、食事にかかわることを増やそう。給食の配膳も、食事も楽しいものに。食べられない理由や子どもの思いを認めることも大切だと考え、できるところから始めようと結びました。

全体講演

15:00~17:00

「学校と社会をつなぐ学びをつくる」

石川康宏さん

(神戸女学院大学)

経済学の専門でありながら、なぜ「慰安婦」問題に向き合うようになったか。

経済学の専門でありながら、なぜ「慰安婦」問題に向き合うようになったか。

学生に押しつけはダメ、自分の頭で考えさせる。

学生に押しつけはダメ、自分の頭で考えさせる。

石川さんの講演では、女子学生がゼミで従軍慰安婦問題について学び、韓国を訪れて元慰安婦の女性と交流するなかで、社会や日本の進路について深め自分の意見を持つことができた

神戸女学院大学の石川康宏さんが「学校と社会をつなぐ学びをつくる」、同ゼミの学生が「日本軍『慰安婦』問題を学ぶ」のテーマで講演。石川ゼミで日本軍 「慰安婦」問題を学生たちがどう学び、社会とどのように結びつけていったか、豊富な写真・ビデオを紹介しながら、話されました。学生たちが日本軍「慰安婦」問題という、政治的にもデリケートな問題にどのように向かい合い、葛藤し、理解していったか、石川先生のとことん自分の頭で考えさせる姿勢が、学生たちをいきいきとした学びの世界に導いていくようすが、スライド写真に写った学生の表情にもよく表れていました。

関西勤労者教育協会常任理事。日本や世界の政治・経済問題など、今日的テーマを幅広く取り上げたわかりやすいお話には定評があります。大學のゼミで学生とともに日本軍「慰安婦」問題を学び、「教室と現代社会をつなぐ学び」の実践をまとめた「慰安婦と出会った女子学生たち」など多くの著書があります。
今回は、知識だけではなく、知識を自分の生き方と結んでとらえる思考の回路を育てる学びの大切さについて、石川ゼミの日本軍「慰安婦」問題の学びを通じて、講演していただきます。ゼミ生のプロジェクターを使っての報告もあります。

報告 日本軍「慰安婦」問題を学ぶ

神戸女学院大学石川ゼミ生

なぜ石川ゼミに入ったのか

なぜ石川ゼミに入ったのか

自分の親よりも年長?の聴衆の前で堂々と発表

自分の親よりも年長?の聴衆の前で堂々と発表

韓国、ナヌムの家訪問のようすを報告

韓国、ナヌムの家訪問のようすを報告

学生たちのとりくみが本に!

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