政府・25年までに小学校全学年35人学級

重要な一歩も、一刻も早く小中高30人学級を

40年ぶりの学級定員引き下げに

公立小学校の学級定員が40年ぶりに、引き下げられる事が決定しました。

コロナ危機を契機に、少人数学級実現を求める国民的な世論の広まりが、政府を動かした結果と言えます。

民主党政権で小中高の35人学級計画を策定、2011年に小学1年生で35人学級が実現、翌年には1年ごとの加配として小2の35人学級にしたものの、安倍政権からは拡大を拒み続けてきました。

全教・枚方教組も30年以上にわたり、少人数学級実現を掲げた教育全国署名に取り組み、国/府/枚方市に対して、保護者、市民とともに粘り強く働きかけてきました。

長年堅く閉ざされ続けてきた堅い扉をあけた、重要な意義のある一歩と言えます。

一刻も早く小中高30人学級実現を

今回の政府方針は、来年度から5年かけて小学校全学年を35人学級にするものです。

来年は、小2の加配をそのまま振り替えるにとどまります。その後も子どもの自然減の分を1年ずつ35人学級に振り替えいく、「財政負担を最小限にした計画」となっています。

文科省の当初の小中高30人学級計画からは大きな後退といえます。

しかも地方自治体では、すでに小学校の35人学級を実現しているところも少なくありません。

5年も時間をかけるのは遅すぎつと言わなければなりません。小学校の担外など教員定数そのものの拡大もまだ実現していません。

一刻も早く中高までの30人学級実現に向けて、力を合わせていきましょう。

市教委は5,6年以上に拡大を、Wカウント拡大を

対市交渉でも取り上げたように、35人学級実現のためには大規模校の教室不足問題の解決は急務です。さらに、以前のままの学校統合計画は根本から見直すべきです。

また、国が順次実現していく35人学級にともない、枚方市が独自の少人数学級を上の学年に振り替えて拡充していくこと、Wカウントを維持/拡大していくも不可欠の課題になってきます。

国が35人学級実現なら、全国に広まる独自の30人学級、25人学級にまで踏み出すことが求められます。

人材確保で悩むより、 長時間勤務解消、大胆な業務の削減・見直しこそ

 全国の教育委員会や枚方でも、少人数学級の拡大には「人材の確保が課題」として、教員を集めることがきわめて困難になっているとの悩みが聞かれます。

 市教委も交渉の中で「今の市費教職員でも、1倍の応募数確保が課題になっている」と、苦しい実情を述べています。

 しかし、人が集まらない原因は、手当なしの膨大な時間外勤務、限界をはるかに超える業務の多さにあることは明白です。

 過労死ラインを越える長時間勤務。

やってもやっても終わらない膨大な業務。

本来の授業や学級経営以外に、教育委員会、文科省から次々と課題が求められ、研究授業、公開授業、部活動にと、しかも評価育成システム、授業アンケートなどで厳しい評価にさらされ、やりがいも感じられず、自信をなくす事ばかり。

 人間として充実でき、ゆとりの中で子ども達と向き合う喜びを感じられ、努力を正当に認められる仕事にしていく事が不可欠です。

そのためには、首長や行政が現場の声に耳を傾けるとともに、大胆な業務の削減・見直しを実現して、本来あってはならない時間外勤務を解消するしかありません。

「エピデンス」ではなく 人間らしい環境の保障

少人数学級に否定的、懐疑的な意見の根拠となっているのが、「切磋琢磨が必要」「学力向上、いじめ対策に明確な数値(エピデンス)がない」という点です。

しかし、子どもたちは政府の政策や経済成長のための「道具」でも「材料」でもありません。

教室は、一人一人が人間として大切にされて、成長できる場でなければなりません。

40年前の定員を、100年以上前の基準の広さの教室に詰め込み、過重な学習量、高度な内容を課される学校が、子ども達の人間本来の成長のあり方からかけ離れている事は明らかです。

少人数学級の実現は、政府や大企業の求める「エピデンス」(数値的根拠)などではなく、子どもに不可欠の、人間らし教室環境を実現するために不可欠です。

これからも、引き続き、少人数学級の拡充を目指して、取り組みを強めていきましょう。

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