これが障害児教育に責任をもつ教育委員会の考え方か!?

第27回定例会を行いました!

 めっきり春めいてきましてね。桜もちらほらと咲いてきているようです。年度末、年度初め。学校では卒業式、そして来月は入学式。別れと出会いの季節ですね。

 さて、遅くなりましたが、定例会の報告をします。2月24日(土)、午前10時分からラポールひらかたにおいて第27回定例会を行いました。参加は10人でした。

 まず経過報告では、1月31日に行われた府教委支援教育課との懇談について報告がありました。懇談は府内各地域からたくさんの参加があり、北河内からも現在子どもを支援学校に通わせている現役のお母さんも含め、8人が参加しました。参加者の感想は概ね良好で、「すごくよかった」「中身の濃い懇談だった」「お母さんの言葉で訴えられてよかった」などの声が報告されました。しかしこの声は、後で報告された「大阪府立支援学校における知的障がい児童生徒の教育環境の充実に向けて(案)」の内容を見る段階で一変します。

 それでは、今後のとりくみで報告された「大阪府立支援学校における知的障がい児童生徒の教育環境の充実に向けて(案)」の内容を紹介します。

 大阪府教育委員会は、「大阪市域を含む府立支援学校における知的障がい児童生徒数の将来推計」(2017年3月発表)結果を受けた、今後の教育環境のあり方についての(案)を発表し、2月23日に開会された大阪府議会では、「大阪府立支援学校における知的障がい児童生徒の教育環境の充実に向けて(案)」(以下「府教委案」)として審議されています。

 「府教委案」では、「今回の推計結果(10年間で約1400人増加)について、新校整備により対応すると、300人規模の支援学校を5校整備する必要がある」との現状認識が示されています。しかし、「新校設置の適地確保の困難性に加えて、多大な整備費や時間を要する」との口実で、「今回の検討に際しては、次の基本的な考え方により、さまざまな形で対応策を講じる」と述べています。

 その「基本的な考え方」は、次の3点です。
 ①新校整備による対応は必要最小限にとどめる。
 ②これまでの支援学校の教育環境における対応を重視し、できるだけ既存の支援学校の施設を活用する。
 ③児童生徒及び保護者の教育ニーズをしっかり踏まえた、支援教育の充実や発展につながる取組みとする。

 「300人規模・5校」の必要性を認めながら、土地や整備費の確保が難しいからと新校整備を最小限にし、既存施設の活用がことさらに強調されています。要するに、「本当は300人規模の支援学校を新しく5校建てる必要があるが、それをするにはたいへんお金がかかるから、今ある支援学校の特別教室を転用したり、間仕切り教室を増やしたりして対応する」というのです。これが大阪の障害児教育に責任を持つ府教委の考え方です。本当に情けない限りです。土地の確保が難しいのなら、すでに土地が確保されている四條畷校に小学部棟を作り、小中高の支援学校として本校化する方が整備費も時間も要しません。逆に昨年度に1億もかけて3階4階部分を閉鎖し、使用できる教室を限定したことは、誠に本末転倒な話だと言わざるを得ません(すべてスプリンクラーを設置しないためです!)。

 「府教委案」では、「支援学校の新設」で対応する人数はわずか600人程度にすぎず、最も早い開校時期は5年後としています。到底、将来推計で見込まれている約1400人の増加への対策とは言えません。残りの8~900人の増加については、「特別教室等の転用、通学区域割の変更」(「既存施設の活用」)、「肢体不自由と知的障がいの併置校」、「府立高校内に支援学校分教室の設置」によって対応しようとしています。

 このことを北河内の支援学校で考えてみると、まず「特別教室の転用、通学区域割の変更」では、これからどの支援学校もどんどん特別教室の転用、間仕切り教室が増えていくことでしょう。というより、現在でも「過大・過密」で大変な枚方支援学校や寝屋川支援学校に、さらに子どもたちを押し込もうとするようなことをしてよいのでしょうか。絶対に許されるはずがありません。また、通学区域割の変更により、枚方支援学校に通う子どもたちがかつてあったように天野川で分割され、同じ枚方市に住んでいても違う支援学校に通わなければならないことも十分予想されます。また四條畷校では中学部は四條畷市大東市以外の市が、また高等部は東大阪市の4中学校区だけでなく、他の中学校区も通学区域になることが十分考えられます。何より支援学校がない大東市や門真市の子どもたちは、また人数合わせの調整に扱われ、安易な通学区域の変更に振り回されることを心配しなければなりません。「肢体不自由と知的障がいの併置校」では、交野支援学校が再び知肢併置になることが予想されます。せっかく本来の肢体不自由支援学校に戻った交野支援学校が、また医療的ケアが必要な子どもの近くを多動な生徒が走り回る状況に逆戻りしてしまうかもしれないのです。「府立高校内に支援学校分教室の設置」は、今のところ内容がまだ明らかにされていませんが、今の府立高校内で知的障害のある子どもたちに一体どのような教育活動が保障されるのでしょうか?

 こう考えてくると、今回の「府教委案」は廃案・撤回しかありません。百歩譲っても、大幅な変更が必要です。定例会ではこの報告を受け、さっそく枚方市選出の府議会議員回りをすることを確認しました。府議会で審議されるこの「府教委案」の内容を説明し、少しでも子どもたちにとって良い方向に向かうようお願いするのが目的です。さっそく3月初めには、複数の府議会議員さんと懇談しました。これからこの「府教委案」がどうなるのか、注目していく必要があります。

 会議では、その他「卒後の学びの場」開設をめざす取り組みへ協力していくことや、ニュースを発行することなどを確認しました。

 次回の第28回定例会は、3月24日(土)の午前10時よりラポールひらかたで行います。ご参加よろしくお願いします。

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