いつまで続ける!?「学校園活性化事業の校内研究」

校内研究、研修の新しいカタチ 

無理なく、先生が学びたくなる校内研究、研修を

 枚方では約25年前から校内研究を市教委の「学校園活性化事業」として実施させています。特徴は事前計画を学校から提出させる、外部講師を呼んでその助言や指導を受けながら全校で研究し授業改善、教育活動の改善に取り組む、研究成果を発表し研究成果の報告を作成する。というものです。

現場とかみ合わない「やらされ感」「発表のための授業」「負担感」

国や府、市教委の研究指定とともに、年間を通じた大きな取り組みですが、一方で「意義が十分理解できず、やらされている感じ」「研究発表のために作りこんだ授業」「負担感が大きい」という声も現場からよく聞かれます。

市教委も外部講師を招いた研修研究を推奨し、事業の評価基準にあげていたこともありますが、外部講師や市教委からの事前指導、研究協議が現場の実態や教員の実感とかみ合わないことも往々にして上記のような声も出ています。

教育委員会や外部講師がそれこそ「大所高所」の視点から先進的な取り組みの意義や重要性を強調して、指導・助言すればするほど、現場との意識の違いが際立つこともあります。

文科省も中教審で研修や校内研究についての「研修観の転換」を示して、教育委員会や現場への対応を求めています。

 「先生も子どもも楽しい」 新しい校内研究・研修のカタチ

 このような中、3月14日の教育新聞では埼玉県蕨市の北小学校の取り組みを紹介。従来の校内研究のあり方を抜本的に改革。①教員が取り組みたいテーマを募ってグループ研究、②研究授業は普段通りの授業を見てもらう、③教員同士や子どもとの対話を増やすことを重視しています。

 この取り組みでは遅くまで残っての研究授業の準備、発表の試行授業の負担などもなく、おおくの教員は6時には退勤する中で取り組めたとされます。

 取り組んで先生たちからも、「(以前は)準備に準備を重ねた「研究のための研究」でつらかった、成果至上主義で続けられないイメージがあった」として、「先生も子どもも楽しい」「研究時だけでなく、ずっと使える」という声が聞かれているとされます。

 校内研究にかかわったベネッセ教育総合研究所の庄子寛氏は成功の理由を「校内研究の本来の目的に立ち返ったこと、従来の形式に縛られなかったこと」と指摘しています。

いつまで続ける「学校園活性化事業」の校内研修

   従来の形にとらわれず、本来の在り方に立ち返った校内研究に

 文科省は、「教え込む」ことから「自ら学び考える」授業への転換を強調、子ども自身に学習活動をゆだね、自由裁量権を拡大することを学校に求めています。中教審も教員研修、校内研究で「研修観の転換」を強調しています。

 従来のように、現場の教員は上から指導して、先進的な取り組みを学ぶように研修させるように、研究発表の課題を課すようにしなければ、まなばないとする「学校園活性化事業」の根底に流れる、時代遅れの考えから転換すべきです。

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